· 

第3回 伊那市 LoRaWAN ハッカソン レポート(1日目)


第3回伊那市LoRaWANハッカソン(10/21-22開催)に参加した。私にとってハッカソン自体が初であり、ワクワクもあるがドキドキしながら片道6時間以上かけて伊那市へ。そこからの2日間あまりに楽しすぎて、その後2週間くらいは余韻で飯が食えるくらい(笑)。

 

というわけで、少し時間が経ってしまったけど、いつか新潟でもこんなハッカソンを開催したい!という思いを込め、少し細かくレポートしてみる。

 

 

 

長野県伊那市は、人口7万人弱の地方都市。食べ物は美味しい、空気もうまい。私が住んでいる町と同じような田舎さがありながらも、こういう取り組みを行うアクティブな情熱のある(いい意味での「変人」が多いとのこと)ところである。

 

伊那市の街なかから少し入ると見えるのどかな風景

市街地に流れる小沢川の両岸にある割烹が、夜になるといい匂いを漂わせる

肉厚でかつ柔らかい名物ソースカツ丼 ここのソースカツを味わったら、他では食べられない


 

伊那市は日本のADSL発祥の地。20周年の記念事業として、新たにLoRaWANを活用したハッカソンをいなあいネット(伊那市有線放送農業協同組合)さんの主催で実施し、今回がその3回目。LoRaは低電力で長距離のデータ通信を可能とするもので、特に地方でメリットが大きいもので、このテストベッドを伊那市がやろうとするもの。

 

後述するが、第1回目ハッカソンで1位となったテーマが、既に実用化へ向けて動き出している。ハッカソン後に伊那市が予算化を行うなど、行政も一体となり地域課題の解消を行うことで、先進的な地域振興を地域全体で盛り上げていこうとしている。

【10/21(土)DAY1】

今回のハッカソン会場は、伊那市駅から徒歩3分の伊那市創造館。ここは、伊那市の歴史を感じることのできる重要文化財の石器などが展示される常設展示がある。

 

少し時間前に着いたので、石器などをぶらぶらと眺めながら3階に行くと、ハッカソンを運営する株式会社ウフルさんが受付で待っていた。

 

このハッカソンでは技術者だけでなく、色々なタイプの方が参加できる。申し込み時にあらかじめ選択した自分の役割(技術(組み込み)、技術(WEB)、企画)が、各チームバランスよく配分されるように、それぞれの役割でくじを引き、チームが決まる。私は「企画」として申し込み、チーム5の配属となった。

 

チームによっては人数が揃わなかったりするが、そういうチームはいなあいネットさんやウフルさんからも助っ人参加がある。チーム5にもいなあいネットさんに入ってもらった。

しかし、蓋を開けて見れば、技術(特に組み込み)2名、企画4名という偏ったメンバー構成になった。そういえば、前夜祭でも「WEB技術者が足りない!転職しない?」という声が聴こえてきたっけな。これもまた生放送的なハッカソンならではの光景かもしれない。

 

緑に囲まれた「伊那市創造館」 歴史を感じながらも、ハッカソンで「創造」するには最適の場所か

チームごとのテーブルが準備された会場 まだ早かったか人がまばら

テーブルには、ハッカソンで使用するデバイスが準備されている


そのほか、数々のセンサーが準備されており、希望すれば使えるようになっている


技術ハンズオン/フィールドワーク・課題ヒアリング

初日の午前中は、希望者のみ技術ハンズオンか伊那市の企業に訪問よる課題等のヒアリングを行うフィールドワークを選択し参加できる。私は、本当は技術ハンズオンも受けたかったが、「企画」の役割であることと、折角伊那市の取り組みを見に来たので、後者に参加することとした。主催者側に用意してもらったバスに便乗し、伊那市内の2箇所を訪問した。

 

なお、9割くらいの人がいずれかのイベントに参加したとのこと。やる気だ。

 

バスでヒアリング先まで移動中

1軒目の上伊那森林組合さん

間伐材を有効活用し、木質ペレットの生産、販売を行なっている


 

(1軒目 上伊那森林組合)

森林を維持するために間伐を継続的に実施する必要がある。現在、組合で力を入れているのは、木質バイオマスとして燃料用の木質ペレットの生産・販売である。一通り工場内を見学しながらのヒアリングだったが、木を伐採する際の安全確保のあたりがヒントになるか?と思いながらも、次の訪問先へ向かうため組合を後にする。

 

2軒目へ向かうバスの中で、いなあいネットの白鳥組合長から、事前に聞き取った課題の紹介があった。一般家庭でペレットストーブを利用している者に在庫が少なくなった状況を通知して補充できるような仕組みができないかというもの。確かに市全域をカバーするようなLoRaWANのメリットはある。ただ、今回の評価基準にあるワクワクする新しい発想がでるか?皆で考えてもありきたりのことしかできないとまずいなと思いながら、2軒目に到着。

 

2軒目の仙醸さん 歴史を感じる

醸造タンクを上からみんなで覗き込む

同じ醸造タンクを下から見るとこんな


(2軒目 株式会社仙醸)

2軒目は幕末から続く歴史ある造り酒屋である仙醸さん。醸造タンクなど見学をさせていただき、お話を伺った。酒蔵によってはIoTの導入を進めているところもある。仙醸さんでは今や機械化してデータによる品質管理を行う一方で、顧客ニーズに合わせるためにはどうしても旧来のやり方が必要であり一部機械化から戻して造っているとのことだった。

 

オリエンテーション・主催者スピーチ・テーマ説明・チームビルディング

いよいよ、オリエンテーション。

 

最初に、主催者である「いなあいネット」組合長である白鳥薫氏からご挨拶をいただき、株式会社ウフルIoTイノベーションセンター所長の八子知礼氏から、ハッカソンの開催経緯、これまでの状況、今回のテーマ(「LoRaWANを活用した農業、ヘルスケア、ものづくり、観光、防災の新サービス」)、このハッカソンで検討するスマートタウンビジネス全体像の説明とスタッフ紹介があった。

 

なお、第1回のハッカソンで1位となった「くくり罠の見張り」は2週間後?に伊那市が予算化し、実用化へ向けて進んでおり、8月にも検討委員会を実施したとのこと。今回も良いアイデアが出れば・・・

 

また、LoRaについては、伊那市で試験を行い8〜9km飛ぶことを確認しており、見晴らしの良いところ、特に地方での活用にメリットがあると期待しているとの説明があった。

ふむふむ。新潟も高いところに建てたら平野部がカバーできそう。

 

いなあいネットの白鳥組合長 「組長じゃないよ!」と紹介されていたけど、お話すると優しくかつ熱い想いを持たれている方

今回のイベント進行の責任者ウフルの八子氏 新潟でもお世話になってる


技術説明・デモ

技術説明のトップバッターとして株式会社ウフルの竹之下氏からハッカソンで使うデバイスについて簡単に説明があった。今回使用するARM mbedは、実際はチップ1個で動く。今回はハッカソンなので大きな箱に入れて準備しているが、実用化の際はとても小さく作ることができる。また、LoRaを利用した場合、4.4秒毎に11byte送信できるという制限事項があるが、1リクエストあたり0.0018円と低価格で長距離飛ばせるメリットがある。このトレードオフを活かしてアイデアを考えてもらうということであった。

 

なお、LoRaはClassA・B・Cと3タイプ設定できるが、今回はClassAでセンサー側から定期的に通信、その後一定間隔後に1回だけサーバからセンサーに送信できるというタイプにしてある。技術的な詳細については午前中に技術ハンズオンを希望した者にレクチャー済みとのこと。

ウフルの竹之下氏 今度新潟でもハンズオンをお願いしているので楽しみ


 

続けて、今回のハッカソンでスポンサーとしてツールの提供と技術サポートをしてくれる企業さんから説明があった。

 

①インフォテリア株式会社 松村 宗和氏

iPhone、iPadアプリを簡単に作ることのできる「Platio」というサービスを提供。プログラミングが不要で、ブラウザのみでアプリ開発ができる。このため、アプリの申請などがいらない。アプリ制作環境、設定ファイルを作り、それをモバイルに送信することで、オフラインでも動くようになるもの。クラウドとも同期する便利なツール。

 

②ウイングアーク1st株式会社 橋本 拓麿氏

MotionBoardという有名なBIツールを提供している。このツールの開発者である島澤甲氏の部屋は、家中のモニタリングができたり、遠隔で洗車したりと秘密基地的な部屋の部屋がとても男心をくすぐられた。MotionBoardを使った事例紹介では、企業への導入事例として唯一紹介されたのが新潟県のツバメックスさんだったので、嬉しい気持ちになった。また、藤沢市のごみ収集車の位置情報をMotionBoardで可視化している例も紹介された。

 

③ARM 渡會 豊政氏

ARM mbedついて簡単に説明があった。WEBブラウザで動作するオンラインIDEを利用して、サンプルコードを修正して簡単に利用することができる。コンパイルもオンラインツール上でできるプロトタイピングにはもってこいのもの。わたしも事前に購入してお試しだけはしたので、なんとなくわかった気になっている。(笑)

 

インフォテリアの松村氏

ウイングアーク1stの橋本氏

ARMの渡會氏


アイデアソン

まずは、アイデアソン。八子氏から「アイデア出しをする視点として、IoTはすべてが繋がることにより境目がなくなることであり、境目にこそ課題がある。そこに着目してどんな技術が適用可能なのかを考えることが重要である」とのアドバイスがあった。

 

また、午前中のフィールドワークでのヒアリング課題のほか、山岳救助への対応、市役所保健福祉部職員のブレストによる課題、お年寄りの山中行方不明捜索対応、消防団員の安否確認、前回からの持ち越し課題(田んぼのカラス被害対策)、クマ出没時の安全確保、鹿・猿・熊の被害対策、徘徊老人、かみきり虫によるブルーベリーの被害などが挙げられた。何かしらできそうな気がする。

 

 

各チームで、アイデア出しが始まった。方法は特に決まっていない。

チーム5は、ホワイトボードを使って、まずは自己紹介からはじめ、それぞれの得意分野で役割を割り当て。私は結局、企画からWEB担当へ転職することに・・・ブランクありまくりで大丈夫か?

同時にブレスト的にアイデア出しを行う。私自身よいアイデアもなかなか出ないまま、出されたアイデアの中で多くの賛同があったアイデアを採用して進めることになった。

LoRaのメリットが活きる内容なので、良さそう。

市役所保健福祉部職員によるブレストの痕跡 市全体でやっている感がみえる

カラスによる田んぼ被害の図 左のほうだけなぜか食べられてる 対策は?難しそう


ハッカソン・ハンズオン / フィールドワーク・課題ヒアリング

アイデア出しが一段落したタイミングで、八子氏から改めて審査基準について説明があった。

今回は伊那市LoRaWANハッカソンと、MASHUP Awardの予選の両方を兼ねたハッカソンでとなる。それぞれの審査基準について説明があったが、MASHUP Awardの予選の位置付けがある分、両方の評価基準を並べてみると、「楽しさ」が必須であるという気になる。

 

ルールでは、とにかく動作するものを時間内に作ることが大前提である。自分の役割を全うできるのか?という不安もあるが、とにかくやるしかない。

チーム5は、組み込み、WEB、プレゼンをそれぞれ2名割り当てた。組み込みチームは早速考えていることの試作に入り、WEBチームは提供してもらっているツールでやりたいことができるか確認するところから、プレゼンチームは楽しい遊び方を含め、プレゼンの内容を考える。

 

ツールは、Platioで検討することにした。Motion BoardはFlashで動くようなので、iOSで使えない。しかし、後日フォーラムで聞いたが、バージョンアップによりHTML5化するとのこと。ここがこの後の分かれ道になる・・・

あーでもないこーでもないとアイデアを出しながらまとめていく


 

1日目の夕方に、MASHUP Awardのエバンジェリスト(「MAイスター」というらしい。うまい!)の久田 智之氏が会場に到着し、MASHUP Awardに関して改めて説明があった。やはり「楽しいこと」の必要性が刷り込まれる。

 

本日の残り時間わずかであるが開発を継続。WEBチームは、Platioのほんの触りはわかったが、インプットデータがないと本当にやりたいことができるのか評価できない。

後から考えた反省点であるが、データがなくとも、時間を無駄にせず、早めに技術的可能性についてアドバイスを受けておくべきだったと思う。ハッカソンは時間との勝負。

MASHUP Awardエバンジェリストの久田氏 会った瞬間からその楽しさが伝わる


DAY2に向けた準備・総評

2日目へ向けて、八子氏から課題の把握、実現サービスのイメージ、実装方式、明日の作業イメージなど振り返りポイントの説明があった。また、審査員、賞品・賞金等の説明があった。

ふう〜。今日1日思うような働きができなかったけど、明日頑張るしかないね。

 

ネットワーキング会

ネットワーキングとして伊那市の商店街にある福味屋さんで懇親会。他のお客を追い出すくらいの人数で、ぎゅうぎゅうになりながらワイワイと会話する。明日もあるので、飲み過ぎないように・・・と思ったら、4次会まで行った人たちもいたようである・・・つ、強い。

ぎゅうぎゅうになった福味屋さん 同じチームが集まれば、作成中のツールの話になる 「あれ?アイデアが聞こえちゃってるけど?」そんなことはおかまいなし やはりこういう取り組みはオープンじゃなきゃ

2次会でようやく伊那市名物のローメンにありつけた!お昼は時間がなくコンビニだったから、感動も倍増

ザ・馬刺し うまー


 

私は、ここでおとなしく就寝。zzz...