工業用プラスチック製品製造業が顧客の品質要求に応えるためITを活用!! 品質向上を実現し競争に勝ち抜く(株式会社加茂製作所)


 

◆ポイント

加茂製作所は昭和61年創業の工業用プラスチック製品製造業です。現在は自動車用計器部品、家電部品、換気用部材などを製造しています。小ロットや二重成形(異材質を組み合わせ一体に成形する)、といった人手のかかる仕事をあえて柱に据えて、ビジネスを行っています。

 
  U R L : http://www.fsinet.or.jp/~kamose/  

競争に勝ち抜くためIT化は必須!

加茂製作所は厳しい品質基準や製造ノウハウが必要とされる仕事を積極的に受注することを戦略としました。特に自動車やバイクの部品は品質要求が厳しく、目に見えないような傷の混入も許されません。そこで加茂製作所では顧客の品質要求に応え競争に打ち勝つために、社員のスキルアップ、ヒューマンエラーの防止、社員間のノウハウ共有を全社で取組み、そこにITを活用しています。

 

全社員が協力して品質要求に応えるための仕組みを構築!!

加茂製作所は品質要求に応えるために、社内でLANを整備し、そこで動作するアプリケーションやデータベースを構築しました。社員全員がそのシステムにデータを入力し、入力したデータを製造に活用することで品質を向上させます。

 

現場の作業者は製造を終えた後に必ずシステムにデータを入力します。その入力されたデータを経営陣が分析し、結果を作業者や管理者にフィードバックします。そうすることで現場の改善や作業者のスキルアップを行い、製品の品質を高めています。

 

作業者のスキルアップには教育訓練履歴という書面を用います。解析されたデータを基にやらなければならないことを作業者自らが作成し書面に記載、取りくんだ結果が常に確認できる方法を取っています。現場でPDCAサイクルが回るような仕組みです。

 

作業者のスキルを上げることは、この会社にとってとても重要です。ロットによる材料の微妙な違いや当日の気温によって製品の品質が左右されてしまい、それを作業者がコントロールしているためです。

 

ITのシステムは、牛腸社長自らがシステムを設計して、実際に使用する実務担当者と話し合いながらトライアル&エラーで構築したものです。実務担当者も開発に携わったことで、その後の運用に好影響を及ぼしました。経営者や社員が自分たちの課題を認識し、明確な意志を持って取り組めば大きな成果をもたらすことができます。

 

構内放送による注意喚起システムを構築!

品質向上のためにはヒューマンエラーを無くすことも重要です。日常的な作業のちょっとした手違い、コミュニケーション不足、勘違いなどにより、ヒューマンエラーが多発することがあります。

そこで加茂製作所は構内放送にITを活用し、自動で構内放送を行う仕組みを構築しました。この構内放送は適切な時間に、適切な注意喚起を行うためのこの放送は、ヒューマンエラー減少に貢献しました。

 

また、ITを使ったことで放送内容の変更が容易となり、内容を少しずつ変えることで社員が聞き流さなくなるメリットも生まれました。社員自らが構内放送を録音することで、仕組みが風化することも防げました。

 

取材に伺った当日も定期的に構内放送が放送されていました。訪問した顧客がこの放送を聞くことで、管理力の高さや現場力を評価されることがあるそうです。

このように加茂製作所はITの活用や社員全員での取り組みの結果、不良品を顧客に納入することが減り、年間20件程度あったクレームも半分以下になりました。取引のある企業からは信頼を得て、取引の継続に大いに貢献しています。

  H24.11.20 取材