「ITベンダー向け 経営革新セミナー」を、9月5日にNICOプラザ会議室で開催しましたので、その報告を掲載します。
このセミナーでは、「オープンソースムーブメントが創りだす新たなビジネスモデル」というタイトルで、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンの成井弦理事長からご講演いただきました。当日は県内ITベンターを中心として、26社、40名の方からお集まりいただきました。以下に当日のアンケートでいただいた意見、要望を何件かご紹介して、セミナーのご報告をいたします。
・オープンソースムーブメント、大変参考になりました。
・話の内容が具体的でわかりやすかったです。
・今後の経営に大いに参考になりました。今の事業のさらに差別化を推進していきたい。
・最大の貢献者が最大のゲインを得る、という言葉が参考になりました。
・時代の流れが分かり易く理解できました。ありがとうございました。生き残るためのビジネスモデル、「ヒント」をいただけました。
・久々に「聴講して良かった!もっと聴きたい!時間が足りない!」という内容の講演でした。ありがとうございました。
この講演のキーワードの一つは『ソフトパワー』。
ソフトパワーとは、軍事力や経済力などを表すハードパワーに対比する言葉で、「武力やお金を使うことなく相手を思い通りに動かす力」のことです。
ITの世界で言えば、”オープンソース”と呼ばれるソースコードが無償で公開されている方式での開発がソフトパワーの好例です。
オープンソースの世界では、「最大の貢献者が最大の受益者になる」そうです。なお、ここで言う貢献とは、ソフトを対価なしで開発し提供することです。
さて、スマートフォンのプラットフォームであるAndroidは、オープンソースのソフトウェアです。この開発に最も貢献している国は韓国です。
ですので、サムスン電子はスマートフォンで世界シェア1位の座をアップルと競っているのです。それに比べて、日本企業はAndroid開発への貢献が少ないので、存在感が薄くなる一方だということなのでしょうか。
今回の講演のサブタイトルは「差別化のみが生きる道」でした。
自社がNo.1になれる得意分野を明確に定義した上で、オープンソースを活用して「差別化」に取り組むことが重要であるとのことでした。まずはソフトパワーについての理解を深めることが、日本企業にとって必要なのでしょう。
セミナー後のパネルディスカッションでは、オープンソースのセキュリティは大丈夫か、といった質問がありましたが、オープンである方がむしろ安全性は高い、というお答えでした。また、電力網をインターネットで制御する”スマートグリッド”が、5年以内に大きなムーブメントになることが予想されるので、理解を深めておくほうが良いだろうとのお話がありました。
盛りだくさんの内容でしたので、アンケートでは、講演時間が短かったのではというご指摘をいただきました。この点は、今後の企画に活かしていきたいと思います。NICOでは、今後も”気づき”を提供するセミナー開催などを通じ、ITベンダーの経営革新を促進していきたいと思います。
開催案内
ITベンダーの経営状況は、リーマンショック以降、国内IT需要の低迷やオフショア開発の加速などにより、売上高や労働生産性が大幅に落ち込み、クラウドコンピューティングなどITのサービス化への動きの加速、生産・市場のグローバル化への対応等、新たな技術パラダイムや事業モデルへの対応が喫緊の経営課題となっています。
そこで、県内ITベンダーに激変する経営環境に対応した経営革新を推し進めていただくため、NPO法人LPIーJapanの成井理事長をお招きし、経営革新につながる「気づき」のセミナーを開催します。
日 時:平成24年9月5日(水) 15:00~17:00
会 場:NICOプラザ会議室(新潟市中央区万代島5-1 万代島ビル11階)
定 員:50名 参加無料

■講演 「オープンソースムーブメントが創り出す
新たなビジネスモデル ~差別化のみが生き残る道~」
特定非営利活動法人LPI-Japan
理事長 成井 弦 氏
講師略歴
■パネルディスカッション 「ITベンダーの経営革新に向けた取り組み」
○パネリスト
非特定営利活動法人LPI-Japan 理事長 成井 弦 氏
株式会社NS・コンピュータサービス 常務取締役 平石 正敏 氏
株式会社フジミック新潟 常務取締役 柳 十四男 氏
株式会社アルコン 代表取締役 藤田 淳 氏
○コーディネーター
(財)にいがた産業創造機構 情報戦略チーム
IT推進コーディネーター 佐藤 実
主催/財団法人にいがた産業創造機構
後援/新潟県IT産業ネットワーク21