
◆ポイント 戸塚金属工業株式会社は、OA機器筺体の生産を中心に、精密板金加工、溶接、塗装組立などを幅広く手掛けています。高い品質の製品を短納期で、且つ低コストで生産する。こうしたお客様からの要望を第一に受け止め、先進マシンの導入により、より高い評価を受けられる製品づくりに取り組んでいます。また、先進マシンを使いこなす技術者の養成にも積極的に取り組んでいる企業です。 |
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端材はリサイクルよりもリユース!
板金加工で使用する鋼材は一定のサイズで購入するしかありませんが、実際に使うのはその一部分だけで、残りは捨てるしかない「端材」となってしまうことが多々あります。
OA機器筐体の生産を中心に、精密板金、プレス加工、溶接、塗装組立などを幅広く手がけている戸塚金属工業(株)は、この端材の再利用に向けた端材再利用促進システム「メタルリスター」を開発し活用しています。
その仕組みは、次のとおりです。
1.レーザー加工機などの機械設備の上部に設置されたデジタルカメラで端材を撮影し未使用
領域を設定。
2.撮影画像に未使用領域値(幅)、状態、枚数、保管日時、担当者、保管場所図などを組み込
んで、区分、材料種別、材料厚の組み合わせフォルダー内に保管
(端材だけでなく未使用材の登録も可能)。
3.保管されているデータを、要求幅、区分、材料種別、材料厚、保管日時、枚数、担当者、
状態(未使用/端材)を選択するだけで検索。
4.保管材料を加工する場合は、「出庫」を指示するだけで保管データを更新。

検索された保管データを基に、出庫記録、現品表等を作成するための印刷機能、更に、ユーザーが固有に作成する在庫表などスプレッドシートで利用するためのCSVデータを出力する機能もあります。
「そのままでは廃棄処分されてしまう端材を再利用することで、少しでも環境負荷の低減に貢献したい。」そんな戸塚金属工業(株)追立俊朗社長の熱い思いで出来上がったシステムです。
『平成23年度 燕市新商品新技術開発支援事業補助金』の助成金を受けて開発
(1年間 300万円)。
『ローカルネットワークを基軸とした金属材料のリユース促進管理システム』
業界全体で端材を再利用することで、環境負荷の低減に貢献したい
板金加工で発生した端材をどう有効利用するか。これは、戸塚金属工業(株)だけの課題ではなく、業界全体の課題となっています。
この「メタルリスター」を使って端材を管理し、同業者同士が必要な材料を必要なだけ供給し合う。これにより、余った材料を無駄にすることなく使い切る。これが、追立社長の目指す理想の姿です。
ただし、「メタルリスター」を各社に導入するだけではそれを実現することはできません。端材を保管するスペースの確保、端材をきちんと仕分けして保管し再利用するための社内体制の整備、端材を融通し合う同業他社とのネットワークが必要となってきます。

今後、このシステムを普及させ端材の再利用を促進させるためには、まだまたいくつもの難関を乗り越えていく必要があります。
H24.7.6 取材