2014年

2月

25日

データ分析の勧めⅡ ~Excelを使って自社の業務データを整理・分析してみよう!~ その4

第4回 ABC:活動基準原価計算の紹介(物流コストで得意先を選別する

分けて考える

「分けて考える」を3回に渡って紹介してきましたが、いろいろな分析の結果を「分ける」ことで今後の方向、戦略立案の足がかりになるということを言いたかったのです。傾向を見て比較してみても、最後は色々な特徴でグループを作り、利益率や頻度だけでなく期間、地域などに分けて考えていることにお気づきになると思います。

 

今回は第2回同様に事例を通して分析から具体的な活動方針を打ち出すまでを紹介しますが、テーマは明細データの集計結果に手を加えて分析を深堀りすることです。紹介するのは第2回目の分析結果で整理した売上高は少ないのに出荷頻度が多い得意先に焦点を当てると、当然実利益は少ないはずですが、では実態はどうなのかということで、個々の得意先の物流コスト算出方法を取り上げてみました。

ケーススタディ2(管理に使えるコストの算定・・・物流コストで得意先を選別する)

これは前々回第2回目の事例紹介の時の売上高と出荷頻度とも密接にかかわってきますが、上記の絵のように売上高は高いのだけれど本当の利益が良く分からない、という話は良く聞きます。売上だけではなくて粗利も重要ですが、粗利は経費を含んだものです。本当の利益は売上から原価を引き、さらに営業経費、出荷配送費、データ処理費などの間接経費を差し引いてわかるものです。

 

では本当の利益はどのように算出するのでしょうか。物流担当のあなたはトップから得意先別の物流コストを算出し、粗利と対比をして効率の悪いユーザを洗い出し、その対策を策定するように指示されました。さてどのような計算方法で物流コストを算出し、効率の悪い得意先を選定したらよいでしょうか。

今回の考え方は、活動基準原価計算(Activity Based Costingという、原価計算・管理会計において製造間接費を管理する方法をベースにしております。英語の頭文字を取ってABC原価管理などとも呼ばれていますが、厳密に行うと大変な手間ですし、今回の事例は商社ですのでコスト計算の利用例くらいに考えて気楽にお付き合いください。

 

考え方の手順

 1.物流コストを定義する(経済的な要素の決定)

 2.算出方法を決める(コスト計算の物差しの決定)

 3.コスト算出対象(得意先、商品など)を決める

例えば以下のような例で簡単に考えてみましょう。

顧客X、Y、Z3社からの注文は次の表のようになっております。この3社で一番ピッキングコストがかかっていない顧客は何処でしょうか?

 
表1(注文品は1ケース20個入りでピッキングはケース単位とバラがある)
表1(注文品は1ケース20個入りでピッキングはケース単位とバラがある)

ここで商品は「1ケース20個入り」で倉庫に積んであります。この条件ではピッキングは以下の表2のようになります。

表2(顧客Xに対しては倉庫移動1回に1ケース出庫搬送、顧客Yは1回に付き1ケースとバラ5個、顧客Zは1回でバラ10個出庫搬送)
表2(顧客Xに対しては倉庫移動1回に1ケース出庫搬送、顧客Yは1回に付き1ケースとバラ5個、顧客Zは1回でバラ10個出庫搬送)

この場合の出庫搬送の経済要素とその単位コストを以下のように設定しました。

  a.1個当たりバラピッキング単価・・・10円

  b.1ケース当たりピッキング単価・・・15円

  c.1回当たり倉庫移動単価・・・・・・50円

この要素でコスト計算をすると表3のようになります。

表3(顧客ごとのピッキングコスト)
表3(顧客ごとのピッキングコスト)

表1、2、3を見比べると注文数量は3社とも同じですが注文回数が違い、1回当たりの注文数量によってケース単位数の違いなどからピッキングの手間が変わってくるので、ピッキングコストだけ見ると、注文回数は顧客Xの方がYよりも多いのですが、バラピッキングが無い分コストは低くなっています。

 

このような考え方を使って第2回の売上高と出荷頻度の関係から出荷作業における活動基準原価計算を行ってみます。

 次ペー 活動原価計算の分析をしてみましょう  

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