2014年

2月

03日

データ分析の勧めⅡ ~Excelを使って自社の業務データを整理・分析してみよう!~ その3(p2)

図3-1(POS明細データの例 164,558行あります) クリックで拡大
図3-1(POS明細データの例 164,558行あります) クリックで拡大

図3-1にも示しましたが、明細データは164,558行にもなります。例えば、食品スーパー1店舗で仮に1日の購入客数800人、1人平均15アイテムの商品を購入するとデータ数は1日で12,000件、1ヶ月30日で36万件になります。図3-1の2倍強ですが、多分Excelで分析するには問題ない量かと思います。では早速分析に取り掛かります。

 

①まず明細データを顧客・購入日で購入金額を合計します。

図3-2(顧客-購入日での購入額集計)
図3-2(顧客-購入日での購入額集計)

②次に顧客の1ヶ月間の購入額合計と来店日数をカウントし、これを基にデシル分析を行っていきます。来店日数などのレコード件数集計は「データ分析の勧め~その6」(distinct countを考えてクロス集計表を作る)で詳細に説明していますので参照して下さい。

図3-3(顧客ごとの購入額集計と購入日(来店日)のカウント)
図3-3(顧客ごとの購入額集計と購入日(来店日)のカウント)

③図3-3の集計データを別シートにコピーして図3-4のように、デシルランクや購入ランクなどの区分を追加して分析基礎データを作成していきます。

デシルランクは会員登録しているユーザが3416名いるので、1ランクを342名としてこれを10等分します。デシルランクの列に“D1”と入れて342番目までコピー、“D2”と入れて684番目までコピーと入力していってもいいのですが、関数のIF文を使うとスマートに入力できます。1回だけの分析ならどちらでも時間的な差は無いのでしょうが、頻繁に同じような分析を行うのであれば過去のExcelファイルから形式をコピーして使えるので一度設定しておくと便利です。

販売ランクは後でRFM分析の時に使うので設定し、今回は来店頻度Fと購入額Mのクロス集計表を作るのに使います。これは販売額を1万円で割って度数化したものです。

図3-4(デシル分析基礎データの作成)
図3-4(デシル分析基礎データの作成)

④図3-4を使って図3-5のようなピボットテーブルを作り、これを整理して図3-6の顧客層別分析表を作成します。

図3-5(デシルランクのピボットテーブル集計) クリックで拡大
図3-5(デシルランクのピボットテーブル集計) クリックで拡大
図3-6(顧客層別分析表)
図3-6(顧客層別分析表)

ここでは会員カードを持っていない顧客層を「その他」として店全体の販売額も表示しましたが、このように会員を10等分に整理すると以前紹介したABC分析(「データ分析の勧め」~その3)よりもより具体的な顧客層が見えてきます。

 

利用例としてデシル分析を基にしたロイヤリティ・マーケティング、「誰に何を販売するのか」の手順を以下に考えてみます。

 ステップ1:顧客データ分析(顧客ごとの購買記録から10等分に層別整理)

 ステップ2:提案顧客の設定(顧客のABC区分)

 ステップ3:顧客別提案商品・サービスの検討(A顧客用商品揃え、割引率の差別化など)

 ステップ4:提案商品・サービスの告知(顧客全体またはABC別DMなど)

 ステップ5:提案商品・サービスの紹介(店頭陳列、訪問、デモなど)

 ステップ6:提案商品・サービスの販売(従業員への周知徹底)

その他に、この例では非会員層の購入額が2割に達しているので、会員勧誘の徹底など顧客をもっと明確にしてきめ細かなサービスを行うことなどが検討課題です。

 

⑤最後に図3-4のデシル分析基礎データで示した購入ランクと購入額を使って図3-7のようなクロス集計表を作成し、RFM分析のF(frequency:累計購買回数)と M(monetary:累計購買金額)を使った分析でより顧客層の販売動向を明確にします。

図3-7(購入ランク-購入日数クロス集計表(ランクと日数で顧客数をカウント)) クリックで拡大
図3-7(購入ランク-購入日数クロス集計表(ランクと日数で顧客数をカウント)) クリックで拡大

購入ランク:1ヶ月間の購入額を万円単位で区分

購入日数:1ヶ月間の来店した日数

 

ここから以下のような販売戦術が検討されます。

  1. 購入金額4万円以上で来店日数4日(週1回)以上を優良顧客と位置づけ、特別サービスを設定し、この顧客層にだけDMを配布する。
  2. 低額購入会員の購入額向上作戦の展開。月3日以内しか来店しない顧客は全体の2割以下と少なく、月1顧客は197人しかいない。この層は1回あたりの購入金額が小額なのでこの層の購入商品動向をさらに分析し、今後の販促キャンペーンを考える。
  3. 先にも挙げた非会員が2割にも達するので、この層の登録促進によって売上が向上するような販促イベントの開催を検討する。

この例は日々の購入が基本のスーパーマーケットが事例ですのでR(recency:最新購買日)は意識しませんでしたが、商品単価の高い高級品小売店のような場合は最新購入日を意識することも重要課題です。

 

いかがでしたか。今回の紹介例は以前から良く紹介されている方法ですが、データが大量のために理解していても気楽に手が付けられないできた分析手法です。分かり易い分析ですのでこれを機会に是非試してみてください。

 

NICO 情報戦略チーム 星野

 

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