2014年

1月

24日

データ分析の勧めⅡ ~Excelを使って自社の業務データを整理・分析してみよう!~ その2 (p2)

先回の「データ分析の勧め その6」で、商品ジャンル(事例はフライパン)の個々の商品ごとの売上金額と出荷頻度(日数)のクロス集計表を作って、どのように商品管理をするかという事例をご紹介しましたが、同様の手法で得意先別の売上高と出荷日数を1年間で集計し、月平均日数を算出したのが図2-1です。

図2-1(過去12か月の得意先の売上高と出荷日数の表)
図2-1(過去12か月の得意先の売上高と出荷日数の表)

では、図2-1のデータを基に来期伸ばすべき得意先を絞り込んでいきます。手順はまず得意先の出荷日数分布をヒストグラムで示し、これに対応した売上高と月平均出荷日数の散布図を対比させて、特徴のあるグループがあるかどうかを探ります。例えば、月平均出荷日数は多くても売上高も高い優良顧客グループ、また売上高はたいしたことはないのに出荷日数だけ多くて経費が掛かっている問題児グループ、などと分けて見ようというわけです。

 

①図2-1からピボットテーブルを使って月平均出荷日数のヒストグラムを作ります。度数分布を行いたい数値項目を行ボックスに、カウント数項目を値ボックスに入れます。

事例の場合は月出荷日数を行に、値には得意先をドラッグしています。値はデータ個数とします。

図2-2(度数分布表を作成)
図2-2(度数分布表を作成)

②区間の単位を1から3に変更して度数分布表を整えます。ピボットテーブルオプションタブからグループ化ウィザードを表示し、単位(区間)をこの場合は3に設定します。単位は対象の数値データのバラツキ具合でそれぞれ適当に選択して、一番分布を表していると思われる区間(グループ)を設定して下さい。

図2-3(単位を変更して度数分布表を整える)
図2-3(単位を変更して度数分布表を整える)

③挿入タブからグラフの縦棒を選びヒストグラムを表示します(図2-4)

あとは図2-5のようにグラフの体裁を整えて完成です。

図2-4(棒グラフを選択してヒストグラムを表示)
図2-4(棒グラフを選択してヒストグラムを表示)
図2-5(得意先月平均出荷日数のヒストグラム)
図2-5(得意先月平均出荷日数のヒストグラム)

④続いて個々の得意先の売上高と出荷日数の関係がどのようになっているのか散布図を使って見てみます。

図2-1の得意先別売上出荷日数明細データから売上金額と月平均出荷日数を選択し、挿入タブのグラフ散布図をクリックして売上高と月平均出荷日数の散布図を作ります。(図2-6)

図2-6(散布図の作成)
図2-6(散布図の作成)

⑤この売上高-出荷頻度散布図と出荷日数ヒストグラムを見比べて、どのグループに注目して今後の営業戦略を立案するかを検討します。

図2-7(ヒストグラムと散布図の連携)
図2-7(ヒストグラムと散布図の連携)

考え方としては、ヒストグラムの出荷日数の多い得意先グループに注目して散布図を見ますと、出荷頻度の高い得意先でも売上高にバラツキがあります。赤枠が月出荷日数10日以上のユーザですが、そのうち緑枠グループの売上高が低いのが目立ちます。

 出荷頻度が高い=手間が掛かっている=経費が掛かる、つまり販売効率が低い

M課長はこの売り上げをどのように高めるかを来年度の販売計画の目玉として立案することとしました。

 

M課長はさらに詳細にデータを見ていきます。例えば、この緑枠グループの特徴を見るために個々の得意先はどのような商品を購入しているのか。売上額が低くても出荷日数が多いということは我が社が必要なはずです。どうやって出荷数量を増やすべきか、高単価の商品を取り扱ってもらおうか、などと商品と得意先に見られる特徴をさらに絞り込んで具体的な販促方法を検討していきます。

そこで、出荷日数だけでなく得意先ごとに商品点数と売上高の散布図を作って、得意先グループの傾向を見てみようということで、図2-8のような散布図を作ってみました

図2-8(売上高と取扱商品点数の散布図)
図2-8(売上高と取扱商品点数の散布図)

こうして見ると、売上高2千万円越えの得意先は取扱商品点数が500点を越える傾向が見えます。図2-7と合わせて、M課長は売上高2千万円未満、月平均出荷日数10日以上で取扱品目が600点以下の得意先を絞って、このグループにどのような取引上の特徴があるのかを、さらに検討することにしました。

 

進め方は、このグループに絞った明細データを取り出して得意先別商品別のポジショニングマップを作って商品選択の特徴を検討(ポジショニングマップは「データ分析の勧め~その6」を参照)、さらに2千万円越えグループも同様に分析して特徴の差異を検討する。また、特に売上高の高い2社の商品構成の特徴を見て、他社にも進める商品があるか検討、などです。

 

このように、データ分析は一発で回答が出るということは少なく、分析対象を絞り込んでいきながらデータの傾向や特徴を明らかにしていって、具体的な対応策を考えるというプロセスを経る必要があります。

次回はデシル分析という手法を使って、優良顧客から下位の顧客層にまで層別に対応する事例を紹介します。

※decile:十分位数、総量を10等分したものの各層の数量

 

 

NICO 情報戦略チーム 星野

 

  <<  前ページ     1     2  

※今回説明に使用したサンプルデータをダウンロードできますので、ご興味のある方は実際に操作をして確認してみてください。
得意先サンプルデータ.xlsx
Microsoft Excelシート 13.0 KB

「いいね!」ボタンを押していただくと、最新情報をお届けできます。

 フィードの購読もできます。

 (NEWS,BLOGのみ)

連載ブログ 

 大人気3rdシリーズ

 

公益財団法人にいがた産業創造機構

産業創造グループ

情報戦略チーム

TEL 025-246-0069

Mail  kns@nico.or.jp