2013年

3月

22日

データ分析の勧め ~Excelを使って自社の業務データを整理・分析してみよう!~ その8

第8回 データ分析・ケーススタディ2(市場規模を「物差し」とした分析例)

ケーススタディ2(比較する物差しを何にする?)

 

ワイン輸入商社のB社のトップは、ワイン消費が一時のブームからではなく、一般家庭での標準的なアルコール飲料として購入されている、と最近感じています。さらに、ブームの時は高級ワインが高い伸びを示したが、最近ではいわゆるテーブルワインの伸びが堅調で高級ワインの消費は横ばい傾向という販売結果も報告されています。

 

ここで再度しっかりとしたマーケティングを行い、どの地域にどのようなワインを売り込む販売促進策を打てばよいのか悩んでおります。単に売上数量だけなら販売店、購買人口の多い地域が上位に来るが、それだけで判断してよいのでしょうか。

 

マーケティング部長のあなたは売れている地域、売れていない地域を判断する「物差し」を考えて有効な手を打つための前提条件を分析してください。


考え方の手順

 1.市場規模により売上に差があるのでまず市場を定義する。

 2.単なる規模の比較でなくシェアの分析(売上高÷市場規模)で比較。

 3.その市場の商品特性を分析する


単純な数値比較では規模の大きさで優劣が決まってしまいます。比較の「物差し」を揃えると市場の質が見えてきます。ここでは販売地域ごとの販売数、売上高だけでなく、その地域の20歳以上の人口を押えて、例えば成人人口1,000人当たりの販売数とか売上高とかから、優劣を比較してその原因を推測して対策を検討することにします。

 

成人人口は総務省統計局に5歳ごとの「都道府県別の年齢階級別人口」というExcelファイルがありますので、これを使いました。

 総務省統計局(http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2008np/index.htm

 

図8-1 地域別売上数量
図8-1 地域別売上数量

 

図8-1は地域別の売上数量です。東京が群を抜いて高いので、関東地区から外して単独の地域としました。傾向は概ね人口に比例しているのではと見えますが、先ほどの統計データから成人人口を算出して、成人1,000人当たりの売上数量を計算してみます。

 

図8-2 地域別売上数量(成人千人あたり)
図8-2 地域別売上数量(成人千人あたり)
図8-3 全国の成人人口(平成20年10月調査)
図8-3 全国の成人人口(平成20年10月調査)

このように基準値をベースに算出した値を指数といい、今回の事例の場合は特にPI(Purchase Incident・・・購買指数)と呼んでいます。

 

PI値=売上数or 売上高÷総客数 or エリア人口(千人 or 万人 など)

 

市場規模の大きい関東地区が絶対値では大きいですが、人口千人当りのPI値は東北地区が東京に次いで2位と健闘しています。東北地位のデータをより詳細に分析することで、他地域が参考になる手法が見えてくるかもしれません。

 

 

このように売上高の絶対規模で市場を見ずに、PI値から各地区の販売戦略を検討するといろいろなことが分かってきます。

 

店舗・支店や地域の比較:PI値の高い店舗・営業エリアの販売ノウハウを学ぶ

時系列で比較:PI値の高い月や曜日、時間帯の販売体制を充実、拡販を図る。

価格帯の比較:PI値の高い価格帯を価格政策に生かす。

商品の比較:PI値の高い商品の重点管理を行う。

 

4つの例を上げましたが、これ以外にもいろいろな比較が検討できます。このように自社内のデータだけでなく、社外の身近に見つけることのできる様々な数値を「物差し」にして今まで以上に掘り下げた分析を行い、業績アップの戦略構築に役立てて下さい。


NICO情報戦略チーム 星野

 

「いいね!」ボタンを押していただくと、最新情報をお届けできます。

 フィードの購読もできます。

 (NEWS,BLOGのみ)

連載ブログ 

 大人気3rdシリーズ

 

公益財団法人にいがた産業創造機構

産業創造グループ

情報戦略チーム

TEL 025-246-0069

Mail  kns@nico.or.jp