2012年

8月

30日

もしあなたのデータが消失したら?クラウド事業者の多層化による課題。

「利用しているWebアプリケーションが他社のクラウドサービスなどの上で提供されている場合、利用者はクラウドサービスでのデータ消失事故に際して、いずれの業者にどのような責任を追及できるのか。」という記事を読みました。

 

Webアプリケーションサービス事業者が、自社でITインフラを調達・構築せずに、外部のIaaSやホスティングサービスを利用してアプリケーションサービスを提供するケースが増えていますが、この様な場合、利用者のデータは、その多くが利用者と直接契約関係にないインフラサービス事業者の設備で保管されることになります。

 

このようなケースにおいて、もしインフラサービス事業者側の障害が原因でデータ消失事故が発生した場合、アプリケーションサービス利用者は、どの事業者にどのような責任を追及できるのか、ということです。

 

アプリケーションサービス事業者が、自社のインフラではなく、外部のインフラサービスを利用している場合、外部のインフラサービス事業者は、債務の履行のために使用される「履行補助者」になるそうです。履行補助者の故意・過失については、明文にはないものの、判例上、債務者本人が責任を負うこととされており、その責任の内容については、通説によれば債務者本人は履行補助者の故意・過失に関して、常に同一の責任を負うこととされているようです。

 

つまり、データ消失についてインフラサービス事業者に故意・過失が存在する場合は、アプリケーションサービス事業者も、同故意・過失について責任を負うことになります。ただし、アプリケーションサービス事業者の責任を問うには、インフラサービス事業者の故意・過失の存在が証明されなければなりません。

 

また、利用者と直接契約関係にないインフラサービス事業者に対する責任追及ですが、契約関係がないので契約責任を問うことも、契約関係が存在しなくても責任を追及できる「不法行為責任」を追及することも難しいようです。

 

いずれにしろ、データの保管先が不明な場合は、複雑な法律関係が生じる可能性があることを認識しておくことと、契約上、インフラサービスの障害による損害を回避する条項があるかどうかを最低限確認しておいた方が良いそうです。


情報戦略チーム 倉田

「いいね!」ボタンを押していただくと、最新情報をお届けできます。

 フィードの購読もできます。

 (NEWS,BLOGのみ)

連載ブログ 

 大人気3rdシリーズ

 

公益財団法人にいがた産業創造機構

産業創造グループ

情報戦略チーム

TEL 025-246-0069

Mail  kns@nico.or.jp